Phil Hardison

Phie Hardison

「生粋のクズがブログを書くとこうなる」というのがよく分かるブログを目指しています!

私は何も知らない

 

 

 

私は何も知りません。

人の心だって読めないし、紛争地域で苦しむ子どもたちが何を考えているのかも、ヴィーガンの人たちの体調がどうかなんてことも、日本がどこに向かっているのかも、くだらない法律の存在意義も、数ある宗教で語り継がれる物語の全ても、何もかも知りません。

 

ニュースや本は読んできました。そこで史実と呼ばれるものを知ったり、情勢についてのジャーナリストの意見を知ったりすることはありました。

しかし、私は直接その政治家と話した訳ではないし、直接テロを目撃した訳でも、直接クマに襲われた訳ではありません

何が言いたいかというと、これらの情報は全て、人のフィルター越しにしか私には届かないということです。私が知っていることがあるとすれば、それは私が受信する情報が100%真実な訳ではないという事実と、実際に自分が身を持って経験したり、自分の目で見たり、自分の耳で聞いたりしたことの全て、それだけです。

 

私は「自分は知っている」という感覚がとても怖いです。「自分は知っている」という自負は、学ぶ機会や、知ることに対する好奇心を奪っていきます。そして、それは私を真実から遠ざけます。最終的に私に残るのは、先入観と偏見だけになってしまいます。

 

先入観や偏見、そして真実でないこと(虚実)は私にとって価値がありません。何も知らないくせに「ああするべきだ」「これがあるべき姿だ」だなんて言うのは、私にとって、自分で紙に手書きしたお札をお店で使おうとするのと似ています。とても滑稽で、意味がありません。

 

私は少なくとも「私は何も知らない」ということを自覚しているので、本当に何も知らない人たち(自分が何も知らないということを知らない人たち)よりも幸運かもしれないとは思います。彼らの器がもう虚構や先入観、偏見でいっぱいで、真実が入る余地などないとしたら、私の器はまだ真実を受け入れるだけのスペースがあると思うからです。

 

けれど同じく、彼らが選んで自らの器を虚構や先入観、偏見でいっぱいにしているのであれば、きっと彼らが選んだ『幸せ』がそれなのだろうと思います。真実に心を傷付けられるくらいなら、目を向けたくないのだと思います。虚構で人を傷付ける方がずっと楽だと考えるのも、分からない話ではありません。手作りの紙幣で豪遊し、本物のお金で精算を求められると激昂する。世界はそんな人たちで溢れていて、私のような人間はその波にのまれて溺れないように必死です。

 

 

また、「この人は分かってないな」という感覚も危険に思えます。「分かってないな、データを出せよ」「分かってないな、ソースはどこだよ」なんてやり取りをネット上でよく見ますが、彼らはお互いを「分かってない」と罵り合い、相手が自分の意見を認めるまで主張は平行線のままで、決して相手の意見に理解を示そうとはしません。そして面白いことに、彼らの言うデータやソースが真実かどうかを確かめようとする人はほとんどいません。彼らが「自分だけが真実を握っている」と勘違いしているのは、ソースが正しいかを自分の目や耳、肌で確かめていないことからも明らかで、彼らの口論には全く意味が無いように見えます。

 

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私は自分以外のことは何も知りません。

あなたの気持ちも、世界がどこに向かっているのかも、テレビで下世話な話題に大笑いするタレントたちの意図も、どれくらいの働きにどれくらいの給料が見合うのかも、何も知りません。

ただ、私は自分のことだけは知っています。自分がどうして悲しいのか、誰か私を傷付けたのか、何に対してトラウマがあるのか、人に何を言って欲しくないのか、自分が何を聞いて何を見たのか、私は知っているのです。そして、私の悲しみや傷はドラマや映画によって育まれた模倣の感情ではないと知っています。そして見たものや聞いたことが真実だとは限らないということも知っています。

 

その真実と虚構と自分自身の感情との矛盾の中で、自分に矛盾があることを受け止めながら、それでも自分が「知っている」と思わないようにするために気を張っています。そうすることで、より多く学んでいけると信じているからです。他の人の意見や受け取り方はもちろん、どんな先入観や偏見があるのかということすら私にとっては学びになります。『無知の知』を知らない醜さから解放されるために、今日も真実を掘り出しています。

 

あなたは何を知っていますか?

 

 

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