Phil Hardison

Phie Hardison

「生粋のクズがブログを書くとこうなる」というのがよく分かるブログを目指しています!

堀潤さんの『分断』トークイベントに行ってきた話

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 お久しぶりとなってしまいましたハーディソンです。

 

 今回、運のいいことに2月29日に開催された堀潤さんのトークイベントに参加できました。そのことについて小学生の感想文的な感じにはなりますが(小学生の方がまともに書けるかもしれない、ごめんなさい小学生のみんな引き合いに出しちゃって)、書き留めておきたいと思います。

 

bundan-hiroshima.peatix.com

 

  

 

 

 

 

 

 

参加することになった経緯

 元々テレビでの堀さんの的確で棘のないコメントが好きでTwitterでフォローをしており、今回のトークイベントについても堀さんのツイートを見て知りました。

 

 

この段階で私は「広島くんの!?うわーでも開催日もうすぐじゃん、絶対もうチケット取れないわ・・・」と思ってダメ元でリンク先に飛びました。すると、まさかのまさかで完売にはなっておらず、しかも無料🤯

 

超テンション爆上げでチケットを取り、広島での私の数少ない友人(というかパートナーの友人)が政治的なことや世界情勢には詳しい人だったので、鬼ほど忙しい彼にダメ元で「こういうのがあるんやけど〜」と話をしてみたところ「いいね!行きたい!」と言ってくれて二人で行くことに・・・!嬉しい・・・!

 

 

 

トークが始まるまで

 当日。11時開始で10時40分くらいに到着してしまい、入り口でアルコール消毒を受けた後に席を取ると、先に到着されていた大澤さんがJVCのパンフレットをくださいました。時間があったのでギャラリーを見て周りました。

 

 1階には、平壌パレスチナ、福島、香港、カンボジア、沖縄等・・・それぞれの地域で堀さんが撮影した写真とキャプションを見ることができます。

 

 どの土地の写真も私がメディアを通して普段持っていた印象とは異なるものでした。堀さんもおっしゃっていましたが、例えば、北朝鮮では普通にみんなスマホを持っているし、タクシーだって走っている。私達が知らないだけで、そこには私達と同じただの人間である彼らにとって普通の生活が広がっています。

 

 2階では堀さんが香港や平壌、沖縄等で撮影したドキュメンタリー映像が見れますとの紹介があったので、友人と11時直前になるまで、キセキミチコさんと堀さんが香港でデモを追いかけた映像を拝見しました。

 

 ギャラリーを見て回っているとカジュアルに堀さんが到着、私を含める既に到着していた参加者ひとりひとりと目を合わせて丁寧に「今日はよろしくおねがいします」とご挨拶されていました。仏〜!いやたぶん仏でもここまでしないな〜!

 

 

 

トーク開始

 11時になって、JVCの大澤さんの紹介(ご家族が元々海外ボランティア等をされていらっしゃり、自分も誰かを助けたいという気持ちがあって看護師になり、現在に至る)があったあと、パレスチナでの大澤さんと堀さんの経験談や、堀さんの他の地域でのお話などがありました。

  

 堀さんのお話を聞いていて思ったのは、堀さんがとにかく主語を小さくして語ること。「パレスチナ人は〜」といった言い方ではなく「パレスチナで出会ったタクシードライバーの○○さんは〜」という言い方をされます。これは終日変わりませんでした。

 

 私は個人的に主語はある程度大きくてもいいと思っている人間ですが、もっと繊細な部分で分かり合うためには主語を限り無く小さくすることが大切だということを伝えたいんだろうなと(勝手に)解釈しました。

 簡単に言えば「香港人はこうだ」とか「パレスチナ人はこうだ」では、詳細の真実は伝わらないということです。例えば「パレスチナ人は過激だ」という表現を見て「パレスチナの一部の人には過激な活動をする人がいるってことか〜」と解釈できる人もいれば、文字通りその土地にはテロリストしかいないかのように解釈してしまう人も出てくる訳です。それを避けるために、主語は小さくあった方がより真実に近い真実に触れられる、というお話だったように個人的には感じました。特にジャーナリズムの世界においては。

 

 それにしても堀さんの物腰の柔らかいこと柔らかいこと・・・!さすが元々テレビマンでいらっしゃるだけあって、大澤さんのお話を引き出すのも上手で、終始そこにも「はえ〜」と感心しておりました😂

 

 

 厳しい言葉や辛辣な言い方は一切しないのに、ここまで人に訴えかけることができるのはすごいなあと思いました(小並感)。

 

 

 

パレスチナガザ地区の現状

f:id:PhilHardison:20200301202743j:plainhttps://www.britannica.com/topic/two-state-solution

 歴史的な背景を私が知る限りでざっくりお話すると、パレスチナユダヤ人が「帰って」来て、彼らが自分らの縄張りをパレスチナに広げてしまい、パレスチナ側が脅威に感じたことから争いが始まり、最終的にユダヤ人がパレスチナの中で独立宣言(やべー)してしまい、上記のような地図の状態に。イスラエル側はガザ地区イスラエルの境界に柵を作ってしまい、ガザ地区の人たちはそこに閉じ込められている状態です。

 パレスチナハマスという政党(というよりもはや軍組織)がガザからイスラエルに向かって攻撃をし、イスラエル側からもガザ地区ハマスの組織員を中心に無関係な市民も攻撃している状態です。

 

 間違ってたらごめんなさい!

 

 大澤さんは、現地の人が「あなたはここに入ってきて、出ていくことができる。私達はここから出ていくことができない。なので、この土地の現状を外に知らせてほしい。知ってほしい」と言われたそうです。現地の人たちも意見が100%一致している訳がないので、大澤さんの活動についてもネガティブな反応をされたことがあったようで、ガザ地区で活動することはもしかして彼らに不利になるようなことになっていないか、邪魔になっているのではないか、というジレンマとも戦っているとおっしゃっていました。

 

 また、政府機関や行政が機能していないので、出生届といったものも上手く機能しておらず、ボランティアの人達が体重計なんかを抱えて新生児がいる家庭を訪問し、診察やその他の記録を行うそうです。

 

 その他にも、女性は未だに仕事を見つけるのが難しいので、大学を出てもボランティアとして活動する人もいるといった話や、失業率が55%に登っていることについてのお話もありました。

 

  

 

 

 

真実は真実しか知らない 

 さて、主語が小さい、という話が冒頭にありましたが、私の中ではそれよりも「何が真実なのか」という話が一番響きました。

 

 堀さんがパレスチナを訪れた際、「うっかりと現地の方に『平和になるといいのにですね〜』といったことを言ってしまった」「現地の方は『それは誰にとっての平和ですか?』と聞いた」といったことをお話されていました。

 

 私はそれはもう「そうなんだよ〜〜〜〜〜!!!」と思いました。

 (相手に対して「こいつ頭おかしいだろ」と思ってたけどよく考えたら相手も自分のことそう思ってるなって気付いた瞬間)

 

 人って己の主観しか見えないじゃないですか、当然なんですけども。でもこれってびっくりするほど忘れがちなんですよね。主観しか見えないので、自分にとっての正義が世界にとっての正義だと勘違いしてしまうことは誰にでもあります。私も結構いつもこの感じで強気に出てしまいます😅

 

 パレスチナの場合、ガザ地区での争いは、イスラエルにとってはイスラエルに平和をもたらしたいだけで、パレスチナにとってもパレスチナとして平和でいたいだけなんですよね。(また主語が大きいこと言ってますけど伝わったらいいな)

 

 そこが噛み合わないから争いが起きてしまう。(進撃の巨人をリアルタイムで追いかけてる人は分かると思うんですけど・・・!)

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 私が個人的にこの話が響いた理由としてはもうひとつ超個人的な話がありまして・・・。

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 この画像は私の腕で、黒のスタンプみたいなのは私が自分でデザインしたタトゥーなんですが、矢印のやつ、これの意味は「The truth only knows the truth(真実のみが真実を知っている)」なんです。

 

 学生の頃からずっと、私はイデア論(その物質や出来事自体にしか真理は分からないという論理)と共に生きてきたので、今回の話を聞いて「私と同じ考えの人ちゃんといる〜!(謎の上から目線)」と感動してしまい、とにかく嬉しかったです。

 

 イスラエルパレスチナの話の他にも、平壌JVC主催で行われている北朝鮮と日本の学生の交流会でのお話もありました。「日本の学生が北朝鮮の学生に『どうして日本にミサイルを打ってくるの?』と質問すると、北朝鮮の学生は「日本には自衛隊の他にアメリカ軍もいる、アメリカ軍は韓国とも連携している。怖いよ」と答えていました」この話を聞いて、確かにこういう違う視点からの話を聞くと、急に植え付けられた恐怖心や嫌悪感が消えていくんだよな〜と思いました。

 

 日頃見ているニュースは既に視点が決まっている場合が多いのですが、何事にも角度があって、視点をどこに置いて話を始めるかにより、何が正義で、誰が犠牲者なのかは変わってしまうのです。けれど、それを分からずに報道や噂を鵜呑みにしてしまうことってありますよね。「この人はこの件について、Aが犠牲者で、Bが悪者だと言っている」ここまではいいとして、ここから「では実際にAとBの両方からの視点で話を聞いてみよう」となる人って少ないと思うんです。そして、それが実は誤解や軋轢を生む原因になったりするんだと私は思っています。

 

 

 

「平和ってなんですか?」 

 堀さんが、「みなさんにとっての平和ってなんですか?」という投げかけをされました。ちなみに一番最初に堀さんに「どうですか?」と聞かれた私は・・・

 

 

 ツイートした通りなんですが、いやはや、私の偽善者っぷり〜〜〜!!良い人ぶってんじゃね〜〜〜〜〜!!!!ってなりましたね。言った直後に自分でちょっと笑けたレベルで。でも、相手を否定せずに受け入れることは本当に平和に繋がるとは思っています。私はすぐに人を煽っちゃって、否定せず受け入れている姿勢を見せるのは下手くそですけど😅

 

 他の方々は、「ぐっすり眠れること」「自由に楽しいことができること」といったことをおっしゃっていて、最後に当てられた友人が「いや〜、考えたんすけど、分かんないすね」と一言。

 

 頭いいなこの人〜〜〜〜!!!!たぶん私の友人は、自分にとっての平和を考え始めた時に、すぐに「あ、でも自分が平和だって思ってても、誰かが平和じゃないって感じているとして、それに自分が気付いていたとしたら、果たしてそれを自分は平和と呼べるだろうか」みたいな考えに瞬時で辿り着いたと思うんですよね・・・。メチャクチャ勝手な想像なんですけど・・・すごいわ・・・。

 

 堀さんも「そうですよねえ、分からないですよねえ」と相づちをうたれていました。続けて、「例えばぐっすり眠りたいという人が眠っていて、そこに自由に楽しいことをしたい人が入ってきて『なんか楽しいことしよう!』と言った時に、寝たい人は『寝たいから、大丈夫です・・・』って思いますよね。でも楽しみたい人は『でも僕ら自由に楽しいことしていいんだよ!』って言い始めると噛み合わなくなりますよね」といったことをおっしゃられていて、なるほどいい例だ〜と思いました。

 

 

 

質問タイム

 堀さんから何か質問はありませんか?と問いかけがあり、性格がうるさい私なのですぐに手をあげて気になっていたことを聞きました。というか予習してこいやという話でもあるんですけど・・・。「パレスチナの人たちは、パレスチナのパスポートって持ってるんですか?」と質問しました。かなり主語のでかい質問です。安定のハーディソンクオリティー

 すると、大澤さんが丁寧に答えてくださいました。まず、パレスチナは国として認められておらず、パスポートが無い。東側のヨルダン周辺に住んでいる人はヨルダンパスポートを持っている人もいるが、ガザ地区にはほとんどいない。ガザの人たちは申請を出せばイスラエルに入ることもできるが、そういったケースはあまりない・・・とのことでした。

 

 エッッッッッッパレスチナって国やないん?とポカーンの私。国連は2012年にパレスチナを国家として認めています。また、国連に加盟している193の国々の内、136ヵ国がパレスチナを国として認めています。ですが、アメリカや日本はパレスチナを国として認めていないとのことです。いやはやびっくりいたしました。私何も知らんやないかい。

 

 次に質問された方は、中東への自衛隊派遣について質問されていたのですが、これに対して堀さんが初めて厳し目の口調で「派遣するなら派遣するできちんと説明をしたらいいと思うんですが、そんな当たり前のこともできないで派遣をしてしまうというのはおかしな話だと思います」といったことをおっしゃっていました。

 

 

 

 トーク

  あっという間に時間は過ぎ、堀さんは「それでは今から大阪で仕事をしてきます」とのことで、コロナウイルスによる学校の影響についてのお仕事をされてくるようでした。本当にお忙しい身なんですね・・・。

 

 私と友人はそのまま2階の映像エリアで鑑賞を開始し、香港の動画が終わったあたりで私の友人は仕事があったので席を外しました。

 そのまま私は最後の平壌の動画まで見たのですが、印象的だったのは、言語を勉強していたのは平壌の学生の方で(つまり平壌の学生が日本語を喋れるということ)日本人側がハングルを勉強している訳ではなく、すべてのやり取りが日本語で行われていた点でした。そこに既に言語ヒエラルキーが発生しているということなのかな?と気になりました。

 日本人の学生が「どうして日本語を勉強するんですか?」と平壌の学生に聞いたところ、キリッとした表情で「日朝の国交正常化に役立ちたいからです」と答えていたのが衝撃でした。そんなこと思ってくれてるの・・・?と、ぼんやり希望が見えました。

 

 

 

 おわりに

 まさに「無知の知」経験の連続で、機会を与えてくれた堀さんと付き合ってくれた友人には感謝しかありません・・・!

  

 

 

 

 

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