Phil Hardison

Phie Hardison

「生粋のクズがブログを書くとこうなる」というのがよく分かるブログを目指しています!

日本は終わってるとして、世界は終わってるのか

 

 

 

少し前になりますが、久々に「クソおもしれえな・・・」と思える記事を読みました。

イギリス留学中の著者さんが、色んな国から来ている学校の友人たちに話を聞いてみた、といった内容です。

 

そこで、私も留学当時(約2年前)のクラスメイトたちに「政治の調子どう?」と聞いてみました。

みんな、ものの1時間ほどで返事をよこしてくれました。最高かよ。

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  • ベルギー 

ベルギー(フランス側)の友人は、以前テロがあった空港から5分ほどの距離にある製薬会社で働いています。彼は自国の雇用問題についてかなり悲観的でした。

「人口の20%は貧困状態だって言われてる。僕らの親の世代の頃はまだ学費が高くて教育を十分に受けられなかったのに、僕たちの世代は十分な教育を受けた上に能力や学力を過大評価されてる。そのせいで学歴に世代間ギャップが生まれてしまって、親以上の世代の人たちは仕事を見つけるのが困難なんだ。新しい世代への投資に偏りすぎた結果だね。この国でもし50歳で無職だったらおしまいだよ。2年は生活保護を受けられるだろうけど、それまでだね。年々支給額も減ってるし。

 

あと、どの国も同じだと思うけど、政治家がクソだよ。今年だけで汚職に関するスキャンダルが5件はあった。連中は国民のことなんか気にしてない。もし誰かが国のためになることをしようとしても、通過しなければならないことが多すぎて案が国会で通らないしね。

 

でも、オランダ側とフランス側の争いは落ち着いたかな。(公用語オランダ語とフランス語の二カ国語であるベルギーでは話す言語によって国内が大きく二分されており、簡単に言うと結構仲が悪い)選挙の時『オランダ語話者のためにあんなことやこんなことをしてみせます』とか『私に投票してくれればオランダ話者側と戦います』とか言って政治家が国民をたきつけてたけど、当選した政治家たちは結局何もしなかったから、国民も冷静になった感じかな。」

 

 

アメリカの大学で学生をしているサウジアラビアからの友人は、はじめかなりポジティブな意見を聞かせてくれましたが、話が進むにつれてサウジアラビアの男尊女卑の現状がまだまだ世界から遅れを取っていることを教えてくれました。

 

KSA(サウジアラビアの人は自国をこう呼ぶことがある)は発展していってるよ。原油に頼らないようにしながらね。そのせいで控除のシステムが変わったりしたから国民は国の方向性について悲観的だけど。KSAは2030年ビジョンみたいなのを掲げてて、僕はそれにかなり期待してるよ。良い結果であれ悪い結果であれ、この政策で国がどう変わるのか楽しみかな。

 

悪い側面については、そうだね。僕には姉が二人いるんだけど、二人とも教師をしていて、結婚もしてる。一人は出勤のために朝3時にバスに乗らなきゃいけない。もう一人の方は、夫が南の国境で兵士として戦っている間、5歳の息子の面倒を見ながら、7時間離れたクソ治安の悪いところまで教えにいってる。こういった、いわゆるサウジアラビアの女性』問題が国の悪い側面かな。

女性が運転できるようになったから自分で運転して出勤できるようにはなったけど、給料の半分がガソリン代でなくなっちゃうんだ(笑)学校も少ないし、教育制度がなってないから姉たちには選択肢がない。7年くらいはそうやって生活してる。もし彼女らが男だったら何の問題もなかったんだけど。

給料も女性だからってだけで月25万もらえたらいい方、あんまりだから2年前に親父と一緒に教育省に行って話をしたけど、姉二人にはもう少し我慢してもらわないといけないって言われたんだ。

 

まあでもやっと政府が人口の半分が女性だって気付いたみたいだから、そこは進歩じゃないかな(笑)」

 

サウジアラビアが海外に留学する学生に多額の返済不要奨学金を支給していることは、留学先でサウジアラビア人の友人が出来た人なら知っていることでしょう。最近王様がかわったこともあって、その制度がまだ生きているのかについても聞いてみました。

 

「高校で成績がよかった人と、あとSATみたいな試験でいい成績を取った人には支給されてるよ。女性もチャンスはあるけど、男性同伴じゃないと留学が許可されていないんだ

 

こればかりは日本に生まれてよかったとしか。当たり前に男女平等に教育の機会を与えられていることがラッキーだとすら思えてきてしまいます。

 

 

 

スウェーデン人の友人は、国の右傾化をよく思っていないようです。

 

スウェーデンでは年々投票率が下がっていって(それでも80%超)、それに反比例するようにSD(Sweden Democrats/スウェーデン民主党)の獲得議席数が伸びているんだ。自分たちの生活が良くない原因を移民たちのせいにするレイシストたちの政党だよ。俺はこいつらが国民を煽ったせいで犯罪率が上がってしまったんだと思ってる。この国において一番の懸念はこれかな。アメリカにおけるトランプみたいなもんだよ。

SDのやり方に共感している国民がSDが議席を獲得させている現状を、俺は恥ずかしいとも、怖いとも思ってる。あいつらの政策は閉鎖的で、鎖国でもする気なんじゃないかと思えるよ。

なんでなんだろうな?なんで人はひどい差別主義者なってしまうんだ?頭が悪いのか?

なんにせよ、こういう状況であれ俺たちが世界でもトップクラスの教育と治安の良さを誇っているという事実を認識することは重要だと思うよ。トップクラスの先進国でも問題は必ずあって、俺の国では人種差別や右傾化が問題だってことだな

 

ちなみに彼は2、3年前、彼女がSDに投票したと知って別れたらしいです。

 

 

  •  ドイツ

一方、ドイツの友人は自国の情勢をかなり肯定的にとらえていました。

「ドイツの情勢は安定してるし、良い状態だと思うよ。目立った問題や衝突もないしね。この国の選挙のシステムでは小さな党でも議席を獲得できるようになってるからとてもフェアだし。

政治以外でも特に問題ないよ。他の国と同じように改善すべき点はもちろんいくらかあるけど、『問題』って感じじゃない。

公共の交通機関はたまにビッチになりえるけど、行きたいところにはいずれたどり着けるからいいんじゃないかな。

治安もいいし、比較的犯罪率も低い。もちろん夜出歩かない方がいいエリアはあるけどね。ちなみにここは警察も最高だよ。時にやっかいな奴はいるけど、人種差別みたいなことは起きないね。あーでも俺に何が分かるんだって話か、俺白人だし(笑)

とにかくドイツはいい生活を送るには最適の国だと思うよ。もちろん完璧ではないけど。完璧な国なんてないしね」

 

率直に、自国に対してこんなに不平不満が出ないことある?っていう・・・。テロが起きててもこんなにポジティブだなんて、単純にこいつの性格が羨ましい。

 

 

  • タイ

タイの友人は、軍事政権下にある状態について特に不満はないものの、政治のことになると暴徒化してしまう国民をよく思っていない様子でした。

「タイは今、軍が政治をおこなっているの。軍は違う政治的思想を持っている人達から国の平和を奪還したいらしい。首相がいたころとそこまで変わらないけど、街で抗議活動をする人がいなくなったおかげで前より安全になったかもとは思う。

私達は家の外であまり政治の話をしないから何とも言えないんだけど、国民の中には早く選挙をしてほしいと思ってる人もいると思うし、私みたいに別に興味がない人もいると思う。

前みたいに赤シャツ(タクシン派)や黄シャツ(反タクシン派)で分裂してやりあうんじゃなくて、もっと国民の意思を反映している政党がある中で選挙がおこなわれるのが理想かな。なんでか分からないけど、多くの人は軍事政権に不満みたいだし。

軍事政権と言うと、他の国の人達は野蛮で独裁的だと思うかもしれないんだけど、これってあくまで国民を危険な政治から守るための決断だったの

 

 

  • フランス

ロッコ人の母親をもち、現在はスイスで仕事をしているというフランス人の友人は、イスラム教徒であることからこそフランスにおける人種差別や宗教差別が目につくと言っていました。

「私は今スイスで働いてて、母親はモロッコ人だから、移民家系として少し独特なケースかなと思う。だから移民問題や政治については少し偏った意見を持っているかも。

ずっと人種差別はフランスでは問題じゃないって言ってきたけど、テレビのニュースなんかを見てるとそうは言い切れなくなってきちゃった。

私はジュネーブ(スイス)の隣町に住んでいるんだけど、世界中から人が集まるとても国際的な地域なの。だから、この地域の人たちは色んな民族の人たちを目にすることに慣れてる。人種差別って恐れや無知からくると思うんだよね。だから私が住んでるところでは人種差別はあまり感じてないんだ。

でもフランス全体のことになると話は別なんだよね、残念ながら。

私の家族みたいに北アフリカから来ている人たちっていうのは、昔それぞれ違う理由で移住してきたんだ。植民地だったからとか、よりよい生活を求めてとか、飢饉から逃げるためとか、色々な理由でね。

最初の方は、人種差別と言えばそういったアラブ系がターゲットで、人々は彼らの評判を落とすことで自分たちが良い仕事を手にできると思ってたんだと思う。でも最近はそれが変わって、人種差別はただの恐怖の表れになってしまった。誤解のせいでイスラム教徒を怖がってしまってるの。彼らはイスラムの文化も言語も何も知らないのに。ただテロを恐れてる。私からするとそれってすごく悲しいんだよね。

今ではたくさんの人がイスラム教自体と独裁的で暴力的なやり方をする連中は違うんだって理解してくれてるけど・・・それでも・・・OMG言いたいことがありすぎる!

さっきから自分がアラブやイスラムのことしか話してないことに今気付いたんだけど、でもこの話をまずしちゃう時点でフランスでは今一番の問題だと思うんだ。

私は色んな文化が混じり合った環境で生きてきたから気付いたんだけど、人種差別って、差別を耐え抜いてきた人の中には拒絶されている事実や苦しみから母国のことを嫌いになってしまう人もいるっていう反動も起きちゃうんだよね・・・」

 

  • 日本

じゃあ果たして日本はどうなのか?終わっているのか?私の個人的な感想としては「終わりつつある状態が続いている」という感じでしょうか。

ものの値段は上がっているのに、質や量は下がっている。給料も上がらないのに残業代を払わないようなブラック企業が未だに無数に存在している。そして「なんで残業代出ないんですか?」「1日8時間以上働かなきゃいけないのおかしくないですか?」「労基法違反ですよね?」を言い出せない『空気感』。

働くママをサポートしようとしない多くの会社、国、そしてそれを当然だと思っている人たち。セクハラを黙認する社会。全ての女の幸せは男と結婚して家庭に入ることだなんて恥ずかしいことを堂々と言っちゃう人たち。飲みの席なら女性に触って良いと思ってる恥ずかしい男性たち。

大学でなんとなく教育免許を取った人たちによる劣悪な教育、そして学校のブラック企業化。東京2020だ国際化だと言いつつ未だに国民のほとんどが英語を喋れない現状。未だに「タトゥーはヤクザの印です」な社会。LGBTの人たちに「隠れないと」と思わせる雰囲気、空気。そしてこういうことを笑えると思ってるテレビ局。宗教や人種問題について学んでこなかった、多様性のたの字もないような「なんか分かんないけど外人すごーい」な日本人のみなさん。「よく知らんけどなんかマリファナは悪い」という先進国の国民とは思えないお考えのみなさん。

 

むしろこの状態で終わらずにこれたのが、さすが日本といったところでしょうか。・・・マジで、今なにか良いこと日本で起きてるっけ・・・?全然思いつかない・・・。現状で誇れることが銃規制やテロをおこしづらい環境くらいしかない・・・。アニメとか言いたいけどアニメーターが過労死しまくってる現状見ると言えないし、東京五輪なんて無給で長期間働いてくれる人を募集するレベルのクソブラックイベントだし、自動車業界も無資格検査やらごまかしやらで順調に終わってってるし・・・。

 

他の先進国が前に進んでいる間、足踏みを続けている日本はここからどうやって変わっていけるんでしょう?ドラマ『民衆の敵』じゃないですけど、もう少し「なんかおかしくないですか?」と大声で言える人たちが必要なのではないでしょうか。

 

 

 

 

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